・老人ホームの種類はどんなのがあるの?
・老人ホームを探している
・老人ホームの入居条件などを知りたい
老人ホームとは「お年寄りが入居する施設」とひとくくりに考えてしまいがちですが、数多くの種類があり、それぞれに特徴が異なっていることをご存知でしょうか。
実は「老人ホーム」と一口で言ってもその種類は11種類もあり、入居するための費用や条件などもさまざまです。
そのため施設を選ぶ場合は、「どのような種類があるのか」や「入居条件や特徴はどのようになっているか」をよく吟味して、数多い種類の中から選ばなければなりません。
運営組織の違いで2種類に分けられる
まず運営組織としては、国や自治体、社会福祉法人などが運営している「公的施設」と、民間企業が運営している「民間施設」に分けることができます。
公的施設
公的施設は「介護保険施設」の別名があり、社会福祉の観点から手厚い介護が必要な人と低所得者の支援に重点が置かれていることが特徴です。
「特別養護老人施設」「養護老人施設」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「ケアハウス」の5つが公的施設です。
特別養護老人施設
特別養護老人施設は入居基準が要介護度3以上となっています。
食事・入浴・排せつ介助などの身体介護を始めとして、清掃や洗濯など日常的な生活の支援を行う他に、リハビリやレクリエーションなどのサービスを受けることができます。
寝たきりや認知症など方の受け入れも行っており、終身利用が可能となっていることが特徴です。
部屋のタイプにはユニット型の個室と相部屋がありますが、現在新築で建てられているのは原則として個室タイプが主流です。
入居に関しては申し込み順ではなく介護度に加え家族状況なども考慮されますが、費用が安く入居希望者が多くなっているため入居待ち期間が大変長くなっています。
養護老人施設
養護老人施設は、経済的な理由によって在宅サービスを受けることができない方が入所できる施設です。
ただし介護施設ではないため、日常衣生活に介護が必要な状況になった場合は退去しなくてはなりません。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は「老健施設」と短縮して呼ばれることが多い施設で、病院と自宅の中間的な位置づけです。
退院後の日常生活が難しい要介護1以上の方が対象で、入居期間は原則として3ヶ月から半年程度です。
食事・入浴・排せつなどの介護と医師・看護師による医療的管理、理学療法士などによるリハビリテーションなどが提供されますが、在宅復帰を目指す施設となっていることが特徴です。
介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は医学的管理が必要な要介護1以上の方を対象にした介護保険施設で、長期入所や終身利用が可能です。
身体介護や医師・看護師による医療的管理、リハビリテーションなどが提供されるのはこれまでの施設と同じですが、入居者100人に対し3人の医師が配置される医療機関で、カテーテルや経鼻経管栄養といった医療的ケアが充実していることが特徴です。
ケアハウス
ケアハウスには「一般型」と「介護型」の2タイプがあります。
一般型は夫婦どちらか一方が60歳以上であり、自宅における日常生活に不安があり、他に身寄りがないなど家族の援助を受けられない方を対象にした施設です。
したがって介護度が高い場合や医療依存の高い場合は入居できません。
介護型はその逆で、介護サービスを受ける必要がある方が対象です。
専門スタッフによる介護サービスを受けることが可能で、入居後に介護度が高くなっても入居し続けることができます。
民間企業が運営する施設
一方、民間企業が運営する施設には、「介護付き有料ホーム」「住宅型有料ホーム」「グループホーム」「サービス付高齢者住宅」「シニア向け分譲マンション」があります。
介護付き有料ホーム
介護付き有料ホームは24時間体制で介護スタッフが常駐しており、介護度に応じた料金を支払うことによって日常生活に必要な介護サービスを受けながら生活することができます。
入居条件も幅広いため入居待ち期間が短いことが特徴ですが、入居時に支払う権利金の他に月額利用料が発生します。
住宅型有料ホーム
住宅型有料ホームは、自立している方の他に要支援・要介護の方も入居できます。
食事を始めとして清掃・洗濯などの生活支援サービスや、医療機関提携・緊急時対応などの健康管理サービスが充実しており、レクリエーション受けられる施設です。
必要に応じた分だけの介護サービスを受けることができるため、比較的介護度が軽くても生活しやすいことが特徴です。
グループホーム
グループホームは、要介護2以上且つ原則65歳以上の認知症高齢者が対象で、施設がある自治体に住民票を持つ方が入居できる施設です。
自立支援と精神的安定を図ることで症状の進行を遅らせることを目指しており、家庭的な雰囲気で生活しやすいことが特徴です。
サービス付高齢者住宅
サービス付高齢者住宅は60歳以上の方が入居できるバリアフリーの賃貸住宅で、安否確認と生活相談を受けながら暮らすことができます。
シニア向け分譲マンション
シニア向け分譲マンションも同じですが、賃貸ではなく分譲であるためある程度の資金が必要となっています。
まとめ
このように老人ホームは多種多様で、希望する生活を送るためには各施設の特徴をあらかじめ理解しておく必要があります。
人気の施設は入居待ち期間も長くなるので、充実した老後を過ごすためにも早めに生活スタイルを確立しておくようにしましょう。